「これからの内水面漁場(渓流域)の管理,構築に係る協議会」第1回目 内容メモ

●概要 
   開催日時:2005年7月6日(水)13:00〜16:30 
   会場:宮城県自治会館207号会議室 
   参加者:(敬称略) 合計25名
   漁協関係者7名(県漁連・鳴子・花山)
   行政関係者6名(水産庁・(独)水産総合研究センター・県漁業振興課・県自然保護課・県内水試)
   一般遊漁者12名 
     注)第1回目の開催にあたり、NPO法人自然と魚を育てる会(以下PNFRと略称)が呼掛け役として
       働かせて頂きましたが、今後本協議会の進捗にあたり、当会にて事務局機能を果させて頂き
       たく御連絡致します。
●議論の概要 
   第1回目の開催にあたり、主催者からの主旨説明、参加者自己紹介、基調的な講演を行った後、
   県内における渓流域漁場の現状についてのフリートーキングを行いました。
  ・主旨説明
   呼掛団体より協議会の主旨説明
   「宮城県内の渓流域漁場について、現状を認識し、より良い在り方を模索するために、関係者である
   漁協・行政・釣人が一堂に会して協議の場を持つ事」 
  ・基調講演 
   「ヤマメ・イワナの種苗放流の現状と問題点」
        (独)水産総合研究センター中央水産研究所内水面研究部生態系保全研究室
                              主任研究員 中村智幸氏 
   「内水面漁場管理の現状と問題点」
        水産庁沿岸沖合課 釣人専門官 桜井政和氏 
  ・議論の概要
  §釣人側からの主な意見
   -入漁券の購入方法や漁協の販売姿勢などに起因し、買う釣人と買えない釣人、買わない釣人の
    間に不公平感が漂う。
   -どこで売っているのかがわかり難い。監視人に遭った事が無い。 
   -釣人側の多彩なニーズに対し、商品である入漁券のバリエーションが少なすぎる。
     (一泊二日券、県内・特定組合共通券-日券・年券、早朝入川用入場券、) 
   -漁協の増殖に係わる活動が資金的な部分に問題を抱えるのならば、釣人側の負担を大きくする
    事もokだと思われる。ただしその条件としては支払う入漁料が増殖に使われている事がわかる
    ように経理内容を透明化する必要がある。 
   -漁協の経営ビジョンがボランティア的労力により成り立っている現状をみると構造自体が問題。
   -漁協が前向きな活動を行う為のモチベーション(漁協活動者のメリット)が無い 
   -過去に釣人と漁協とのコンタクトが試みられた事が有ったが、釣人側意向が漁協側へ浸透する
    に至らなかった。(釣人側からは)組合内部の構造的問題があると見える。 
   -(ブラックバスの外来種指定を引合に)裾野の釣人達の要望・気持ちを汲み上げる仕組みに疑問が
    感じられる 
   -外来生物法の特定外来生物第2次指定の検討対象としてニジマス、ブラウントラウト、ブルックトラ
    ウトなどの渓流対象魚がリストアップされている事に対し、一部釣人より慎重視する意見 
   -その川に生息できる個体の‘量’(環境収容力)を踏まえた資源増殖システムを構築する事が理想
    (→特定河川の環境収容力を調査するのに、高度な研究者が5年以上河川に専属する位のマン
     パワー(≒資金)が必要と解説あり) 
  §漁協・行政側の主な意見
   -(県内初のC&R区間を導入した花山村漁協として)昔からの文化として釣った魚をキープしている
    釣人に理解を求めるのが困難である事と同時に、遠方よりわざわざ花山へ来る釣人のほとんど
    が違和感無くC&Rを受け入れているという現状がある。 
   -釣人全員が監視員になって欲しい 
   -(複数漁協の共通年券について)各河川による良し悪しを押並べて評価する事になり、個別漁協の
    前向きな取組が‘遊漁券販売数’で評価されなくなってしまうのでは。
  ・まとめ(事務局/PNFRによる) 
   今回のフリートーキングでは、前段の基調講演の内容を踏まえ、関係者が感じている事をフリーに
   発言して頂きました。その内容を下記の様に集約し、次回協議会のテーマとして展開したいと思い
   ます。
   -今回の協議の中で多くの意見が出された‘入漁券’についてのニーズに対し、具体的に対応できる
    方法と手段を考える
    →具体的な協議内容
      県北共通遊漁券、1泊2日券、早朝入場券など 
   -(釣人の満足度を高めるために行う)増殖活動に資する「金」と「人」不足の問題に対し、いずれの
    要素も「魅力ある釣り場」を作る事こそがその解決の前提となる。
    この「魅力ある釣り場」作りについて、自然監視者としての社会的役割などを踏まえた持続的経済
    活動としてビジョンを作り上げ、具体的実施に向けた協議を行う。
    →具体的な協議内容
      1水系における漁場管理の理想的な姿を提案し(漁協タイアップによる漁場管理のモデル河川)、
      その実質的・法律的な問題点や解決方法を模索
  ・補足 
   第1回目の協議会翌日(7日)に、基調講演をお願いした中村、桜井両氏と宮城県漁業振興課さん、
   宮城淡水釣りネットワークさんおよび鳴子漁協さんの御協力により、現場視察を実施しました。
   その際、鳴子漁協さんより今後の釣場管理の案が出され、視察参加者協議の中、具体的な管理
   方法やその経緯となる調査方法などについて中村・桜井両氏より数多くのアドバイスを頂戴しまし
   た。この内容をまとめ、本協議会第2回目の議題として検討する事となりました。
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【協議会内容報告】
 第1回内容メモ(05/07/06)    第2回内容メモ(05/10/04)   第3回内容メモ(09/05/18)



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